共和党の大統領候補が、実質的にミット・ロムニーに決まり、副大統領候補が話題になっている。
2008年共和党大統領候補だったジョン・マケイン選挙チームがサラ・ペイリンを副大統領に選び、マケインの敗北宣言に至るまでを描いたテレビ・ドラマ「ゲーム・チェンジ」にも出てきたように、副大統領候補には、大統領候補が弱い層を引き込む魅力が重要視されている。
とりわけ、大統領候補に圧倒的な人気がない時には、副大統領候補の集票率が期待される。
今までの世論調査を見ると、大きく引き離されているわけではないが、オバマ大統領のほうがロムニーよりも支持率は高い。
そのため、ロムニーが副大統領に誰を指名するのかに注目が集まっている。
先週、共和党の副大統領候補に関して興味深い世論調査の結果がでた。コンドリーザ・ライス元国務長官が無党派層と共和党支持者から一番人気だったのである。
ライスは、「副大統領候補に興味はない」と何度も発言しているが、CNN/ORCの調査によると、支持率26%を集めてトップに立った。2位は、21%を集めた、ついこの間大統領指名争いから撤退を表明したリック・サントラム元上院議員。そして14%でフロリダのマルコ・ルビオ上院議員とニュージャージー州知事のクリス・クリスティが同列3位であった。
奇遇にも、ライス元長官は先日ヘリテージ財団で「国際問題におけるアメリカの役割」というタイトルで講演したので、その内容を紹介しよう。
現在、ライスは、ブッシュ政権に入る前の古巣、スタンフォード大学に戻り、政治学の教授であるとともにフーバー研究所のシニアフェローを勤めている。
ライスは、現在アメリカをめぐる国際状況は、過去の3つの変化から影響を受けているとした。
1つは、2001年9月11日の同時多発テロ攻撃、2つ目は2008年9月から始まった金融危機、そして3つ目がソーシャル革命とも呼ばれる「アラブの春」である。
ライスは、世界における勢力の均衡が変化している中で、アメリカはどのような役割を担い、どのようにその足跡を残していくべきか、ということをアメリカは考えるべきである、と投げかけた。
ライスは、アメリカがかつての自信を失っているとし、それは世界にとってもマイナスになる、と懸念を表した。
また、ライスは、インドとブラジルを、大きな人口を抱え、かつ多様な民族がいる中で安定した民主主義を維持しているとし、「何と言う奇跡だろう」と称えた。
アジアについては、中国の国内で起こっている変化を強調した。インターネットの普及は草の根を支えており、中国の指導部はこれからどうするべきか悩んでいるように見える、と語った。ライスは、中国については、軍事的な懸念はあるが、太平洋地域では日本、韓国、フィリピン、オーストラリアなどの強力な民主国家がアメリカと協力体制にあり、それらを考慮すると中国がアメリカやその同盟国を凌駕するには至らないだろうとの見方を示した。
ライスはアジアよりも混沌とする中東への懸念を示し、アメリカは中東の安定に向けた核となる戦略を計画・実行していていかなければならないと力強く語った。
このイベントの直前に北朝鮮がミサイルを発射し失敗したが、ライスは自ら基調講演で語ることはなかった。質問タイムでは唯一指名されたアジア系は、薄熙来(ボー・シーライ)の妻による「英国人毒殺事件」の一連のスキャンダルを踏まえた中国の状況について尋ねたので、結果として北朝鮮問題について、触れることはなかった。
だが、講演後、ヘリテージのメディアチームがライスにインタビューを行い、北朝鮮について尋ねている。
そこで、ライスは、北朝鮮の人々が飢餓に苦しんでいるので、食料を一つの政治的手段として使うことは心苦しいとしたが、北朝鮮にはミサイル発射は断固受け入れられない、という強いメッセージを送らなければならない、と食料援助の中止を訴えた。
この様子は以下のリンクで見られます。
ライス元長官は、副大統領候補にならないとしても、今後も共和党の外交政策に影響を与えていくことは確実であろう。
No comments:
Post a Comment